洗濯機の排水口が下水クサイ！臭いが発生する原因・対処法・予防法まとめ

洗濯機の排水口周りが「臭い」と感じるときはありませんか？

洗濯機の排水口が臭う場合、まずは原因を突き止めることが大切です。臭いがする原因に応じてきちんと掃除をすれば、かなり改善することができます。

本記事では、排水口から悪臭がする場合の対処法と防止法を紹介します。掃除をすれば臭いが解消されることもあるため、掃除に必要な道具と作業手順を把握しておきましょう。

また、後半では洗濯機の排水口の臭いを防止する方法も解説しています。どうしても臭いが解決しないときの対策も分かるので、洗濯機の排水口の臭いにお困りの人は参考にしてみてください。

洗濯機の排水口が臭う原因

まずは、洗濯機の排水口がなぜ臭うのか、その原因を突き止めていきましょう。洗濯機を長く使っている場合は、原因が複数あることも考えられます。

1つひとつできる範囲で確認し、どこにトラブルがあるのか見極めていくことが重要です。

排水口の汚れ

洗濯機の排水口が臭う原因の1つに、排水口の汚れがあります。洗濯機にはフィルターが付いていますが、取り切れなかった糸くずや石鹸カス、皮脂、泥などの汚れは、排水口まで流れていってしまいます。掃除をしないとそれらの汚れが蓄積され、そこに雑菌が繁殖して悪臭の発生源となるのです。

「洗濯機の使用歴が長い場合」「普段から洗濯機の排水口を掃除していない場合」は、排水口に汚れがたまっている可能性があります。

排水トラップのトラブル

排水トラップのトラブルにより、下水のような臭気が上がってくることもあります。排水トラップとは、排水管の途中にある水が溜まる部分のことです。

溜められている水は「封水」と呼ばれます。下水の臭いは空気を伝って上がってくるため、水で臭いに蓋をする役割を担っています。この排水トラップにトラブルが起こり、封水がなくなってしまうと、臭いを防ぐものがなくなり、下水のような臭いが上がってきます。

封水があることで虫の侵入も防いでいるため、洗濯機の周りで虫を見るようになったのであれば排水トラップのトラブルが原因で臭いがしている可能性があります。排水トラップは、経年劣化で破損することもあるため、「洗濯機の使用歴が長い場合」は要チェックです。

排水ホースの汚れ

見逃しがちなのが、排水ホースの汚れです。排水口の汚れと同様に、排水ホースの汚れも臭いの原因になり得ます。排水口や洗濯槽の汚れには目が行っても、排水ホース内部の汚れは視認しにくいためなかなか気が付かず、悪臭が悪化していくことがあります。

しかし、ホースは曲げて使うことも多く、汚れが引っかかりやすい状態になっています。「長期間排水ホースを変えていない場合」「排水ホースの掃除をしていない」という場合は、排水ホースに汚れがたまっている可能性があります。

洗濯機の排水口からイヤな臭いがするときの対処法

それでは早速洗濯機の排水口から悪臭がする際の対処法を紹介します。

まずは、ご家庭でできる対応をみていきましょう。

排水口・排水トラップを掃除する

排水口や排水トラップの汚れが原因でイヤな臭いが発生している場合は、掃除をすることで解消できます。

身近にあるもので掃除が可能で、自宅にないものがあってもホームセンターやネット通販などで入手できます。特別な道具は必要ありません。

準備するもの

排水口と排水トラップを掃除するのに必要な道具は以下の通りです。

パイプクリーナーやスプレータイプの塩素系漂白剤は、洗濯機の排水口以外でも広く掃除に使えるので、常備しておくとよいでしょう。ゴム手袋は、ラテックスアレルギーが出やすいため、掃除用のニトリル手袋のほうが安心です。ただし、パイプクリーナーや塩素系漂白剤は、ゴム手袋でもニトリル手袋でも直接触れると溶けたり穴が開いたりするため注意してください。

作業手順

それでは、排水口を掃除する手順を詳しくみていきましょう。

1.コンセントを抜き蛇口を締める

洗濯機の排水口を掃除する際は、安全に掃除ができるよう電源コードを抜き、水道の蛇口を締めましょう。大事な工程ですが、忘れがちなところなので、気を付けてください。また、洗濯機を移動させる必要がある場合、アース線を抜かないと移動させられないタイプもあるので必要に応じて対応します。

2.給水ホースと排水ホースを外す

給水ホースと排水ホースを外します。給水ホースは、洗濯機を移動させる必要がある場合や、排水口の掃除に支障が出る場合に限り外します。排水ホースは排水口に繋がっているため、ここで外しておきましょう。

3.排水口・排水トラップの部品を外す

洗濯機の排水口は、部品が層のように構成されているので、1つずつ丁寧に外していきます。部品の構造は製品によってそれぞれなので、賃貸時に渡された取扱説明書を見るか、ネットで同型の排水口を調べて取りはず方を確認しましょう。

部品を外す際には、元に戻せるよう順番を覚えておくことも大切です。心配な場合は、スマホで写真を取っておくことをおすすめします。

4.パイプクリーナーを排水管に垂らす

パイプクリーナーを説明書に沿って適量排水管に入れます。排水管をあまり掃除していない場合は、たっぷり使うのがポイントです。

5.排水口と部品を洗う

パイプクリーナーが排水管を掃除してくれている間に、取り外した部品を洗浄しましょう。手や割り箸、不要になった歯ブラシなどを使い、付着した汚れを取り除いていきます。洗面台の排水口などからゴミを流すとつまりの原因となってしまうため、できるだけ固形のゴミ袋に入れてください。

6.液体塩素系漂白剤でつけ置きをする

部品の大きな汚れが取れたら、次は液体塩素系漂白剤でつけ置きをします。STEP5の工程で汚れが取れた場合は省いても構いませんが、ヌメリや臭いがしつこいようならつけ置きが効果的です。

7.排水管を洗い流して各部品を元に戻す

パイプクリーナーの放置時間が来たら、たっぷりの水で十分に洗い流します。また、つけ置きが終わった部品も丁寧に水で洗い流し、元あった場所に戻していきます。部品が取り付けられたら、給水ホースと排水ホースも繋げます。

8.排水トラップに水を入れる

忘れてはいけないのは、排水トラップの封水を作ることです。水を入れないと悪臭が漂ってくるため、排水トラップのカップになっている部分に水を入れます。

排水ホースを掃除する

次は、排水ホースの掃除の手順を紹介します。長年使っている洗濯機なら排水ホースから臭っている可能性もあるため、排水口や排水トラップの掃除と一緒にやってしまいましょう。とくに排水ホースを折り曲げて使っている場合は、汚れが多くたまっているかもしれません。

準備するもの

掃除に必要なものは上記の通りです。どの家庭にもあるものを活用して掃除ができます。

作業手順

排水ホースの掃除手順は簡単です。

1.排水口からホースを抜く

排水口から排水ホースを抜き取ります。ホースを抜く際、水が漏れだしてしまうことがあるため、雑巾などを用意しておくと安心です。

2.ホースに水を流し入れる

勢いあまって入れすぎると溢れてしまうので、少しずつ様子を見ながら入れるようにしましょう。

3.ホースの口に食品用ラップフィルムで封をし、輪ゴムで固定する

ホースの口は小さいので、食品用ラップフィルムは小さく切ってください。水が漏れないよう、輪ゴムでしっかりと固定しましょう。

4.ホースを揺らしてゴミを取る

ホースを揺らして、振動でしっかりとゴミを落とします。

5.バケツに汚れた水を出す

洗面所にそのまま流し入れると、つまりの原因となります。一度バケツに出して、大きなゴミはゴミ袋で回収することをおすすめします。

6.排水ホースを元に戻す

長年掃除していなかったという場合は、STEP2～5の手順を何度か繰り返しましょう。中に入れた水にゴミが浮かなくなったら、排水ホースを基に戻して完了です。

封水の蒸発を防ぐ

排水口の汚れが目立たなかったり、洗濯機を買って間もないのに下水のような臭いがする場合は、排水トラップの封水の蒸発を防ぐことで臭いが解消することがあります。

空気が乾燥していると、通常よりも封水が蒸発しやすくなります。この場合、定期的に排水トラップのカップに水を追加すれば、下水の臭いが上がってくることはありません。室内への虫の進入も同時に防げるため一石二鳥です。

ただし、下水とは異なる臭いの場合は他の原因が考えられます。排水口・排水ホースの清掃または排水ホースの交換を試してみてください。

【内部リンク】

『下水の匂いが上がってくる原因とは？対策やお掃除方法について解説！』

排水ホース交換する

古くなった排水ホースの場合は、掃除よりも交換のほうが効果的な場合もあります。

上記で紹介した方法で掃除をしてもなかなか臭いが取れない場合は、排水ホース自体に臭いが付いてしまっていることが考えられます。洗濯機の排水ホースは、1,000～2,000円程度で購入できるため、頑張って古いホースの消臭・脱臭を考えるよりも、新しいホースに買い替えるほうが手っ取り早いでしょう。

洗濯機の排水口を掃除する前の注意点

洗濯機の排水口を掃除する手順は上記で解説しましたが、掃除する前にいくつか注意点があります。

掃除手順の中に記載したものもありますが、今一度チェックしてみてください。

洗濯機の移動は2人以上で行う

排水口を掃除する際に洗濯機を移動させる必要がある場合、作業は2人以上で行ってください。

洗濯機は小型のものでも30kgあり、ドラム式なら小型でも75～80㎏はあります。1人で動かそうとすると、ケガや洗濯機の故障、床や壁の破損などの危険があります。洗濯機に衝撃を与えないよう、安全に運べるよう、複数人で移動させるのが鉄則です。

また、洗濯機置き場に水漏れの受け皿となるトレーが付いている場合、持ち上げるのは簡単ではありません。故障や破損の危険を考え、無理な移動は控えましょう。

コンセントを抜いてから作業する

洗濯機周りの掃除を行う前には、必ずコンセントを抜くことを忘れないようにしましょう。抜いた電源コードは掃除のときに垂れ下がって来ないよう、テープなどで固定しておくのがおすすめです。また、作業途中や作業後は、濡れた手でコンセントや電源コードを触らないようにしてください。

万が一の感電や漏電の危険性を防ぐため、洗濯機の電源を切るだけでは十分に安心できないことを理解しておきましょう。洗濯機に限らず、電源が入っているまま家電を掃除することは危険なので、常に意識しておきたい点といえます。

水道の蛇口は閉めておく

排水口の掃除途中に水が漏れないようにするため、水道の蛇口は閉めておきましょう。

洗濯機の蛇口を普段開けっ放しにしている家庭も多いのではないでしょうか。通常、蛇口は開けっ放しにすると水が駄々洩れになりますが、洗濯機の場合は電気で自動的に開閉する「ソレノイドバルブ」が水の流出を抑えています。つまり、万が一給水ホースが外れると、一気に水が吹き出すことになるのです。

掃除中に水が漏れれば、追加で床掃除をしなければならず非効率になってしまいます。念のため、水道の蛇口は閉めておきましょう。

【内部リンク】

『洗濯機から水漏れが発生！原因ややるべきこと、事前の対策方法について解説』

『洗濯機からの水漏れを防ぐ！防水パンの設置方法やメリット、デメリットについて徹底解説！』

洗濯機の排水口の臭いを防止する方法

普段から気を付けておけば、洗濯機の排水口の臭いの発生は防げます。

ここからは、洗濯機の排水口から来る悪臭を防止する方法を5つご紹介します。

定期的に温かいお湯で洗濯をする

悪臭を防止するには、定期的に温かいお湯で洗濯をするのがおすすめです。お湯を使うことによるメリットは3つあります。

1.皮脂汚れが落ちやすくなる
食器を洗う際、油汚れは水よりお湯のほうが落ちやすいのと同じように、油性の皮脂はお湯のほうが落ちやすくなります。皮脂は40度以上の熱で溶け出すため、少なくとも40度以上のお湯で洗濯するのがおすすめです。

2.臭いの原因となる雑菌の繁殖を抑える
雑菌を抑えることを目的にする場合は、50度くらいのお湯を使いましょう。湿度が高く雑菌が繁殖しやすい洗濯機の中を除菌してくれるため、洗濯槽の裏の汚れを軽減させるほか、生乾きの臭いも軽減してくれる効果もあります。ただし、繊細な衣類は温度が高いと痛みやすいので注意してください。

3.洗剤が溶けやすい
洗剤がしっかり解けることで、洗浄効果が上がるメリットもあります。洗剤が解ける時間が短くなれば、その結果溶け残りの心配も少なくなります。酵素系洗剤の場合は20～60度、酵素系漂白剤であれば40～50度の温度帯が適切なので、除菌効果も狙うのであれば50度のお湯を目安にしましょう。

糸くずフィルターにゴミを溜めない

洗濯機の排水口の臭いを防止するためには、糸くずフィルターの定期的なチェックも必要です。糸くずフィルターにゴミが溜まっていると、フィルターでキャッチできるゴミがどんどん少なくなってしまいます。

糸くずフィルターにゴミが溜まってきたら、すぐに捨てましょう。捨てることを忘れそうな場合は、チェックをする曜日や日にちを決めておくことをおすすめします。乾燥機能が付いている場合は、乾燥フィルターのゴミも忘れずチェックしてください。

月に1回洗濯槽を洗浄する

洗濯槽は目に見えている範囲でキレイでも、裏側は汚れがこびりついているという可能性があります。汚れが視認しにくいため、あまり掃除をしていないというご家庭も多いのではないでしょうか。洗濯槽の汚れも剥がれると最終的には排水口に流れ込み、臭いの原因になり得ます。

洗濯槽は月に1回のペースでの洗浄が推奨されています。忘れないよう、洗浄日を設定しておくとよいでしょう。

なお、洗濯槽の汚れは洗濯の頻度が少ないからといって発生しないわけではありません。洗濯機を使用して数か月しか経っていなくても、やはりカビは発生します。使用頻度や使用期間に関わらず、洗濯槽の洗浄は必要です。

半年に1回排水ホースを掃除する

今回紹介した排水ホースの掃除は、およそ半年に1回は行うようにしてください。ホースに水を流し入れた後、ホースの口を塞いで振るだけなのでそれほど手間にはならないでしょう。

ちなみに、水回りの汚れはお湯のほうが落ちやすい傾向があります。お風呂場を使えば、水の飛び散りも気にせずホースをお湯で洗うことができます。

お風呂の残り湯を洗濯に使わない

お風呂の残り湯を使って洗濯する家庭は多いものの、排水口の臭いを防ぐためには残り湯での洗濯はあまりおすすめできません。

入浴後のお湯には皮脂汚れや汗が含まれており、さらにお湯が冷めるとそこで雑菌が繁殖し始めるためです。洗濯したときは気にならなくても、洗濯機の排水口に流れ込む汚れが多くなれば、それだけ臭いが発生しやすくなります。

「節約のため」「お湯がもったいない」という気持ちもわかりますが、とくに一晩放置されたお風呂のお湯にはかなりの雑菌がいるので、使用を控えたほうがよいでしょう。

排水口の臭いが解消されないときのポイント

排水口を掃除してもイヤな臭いが解消されない場合はどうすればよいのでしょうか。

最後に、どうしても臭いが解消できないときの対応方法を確認しましょう。

賃貸物件は管理会社に連絡する

賃貸物件に住んでいる場合は、管理会社に連絡をして、掃除をしても臭いが取れないことを伝えます。自分でできる範囲を超えてしまったときには、まず相談することが大切です。

賃貸物件の設備が原因で臭いが発生している場合、賃貸人負担でトラブルを解決してもらえる可能性があります。業者の手配も管理会社や大家側で行ってくれます。 管理会社の連絡先は、契約書類を確認しましょう。書類の他には、賃貸物件の共有掲示板や管理人に聞くことでも確認できます。

なお、配管の修理などが必要になる場合、入居者が勝手に業者を頼んでしまうと、費用を払ってもらえなかったりトラブルになったりする可能性もあるため、事前の連絡・相談が重要です。

水道局指定業者に依頼する

業者を依頼するときは、水道局指定業者を選ぶようにしましょう。水道局指定業者とは、自治体から特定の水道工事について施工しても良いという許可を得た業者です。

許可がなくても軽度のつまりや臭い取りはできますが、自治体から許可を得るためにさまざまな要件をクリアしている業者のほうが安心感があります。万が一、修繕工事が必要になった場合でも、そのまま依頼も可能です。指定業者は自治体のWebサイトで確認できます。

また、業者を選ぶときは、3～5社に相見積もりを取ることをおすすめします。料金やサービス範囲を比較して、より良い業者を選んでください。このとき、アフターサービスや補償についても要確認です。

まとめ

今回は、洗濯機の排水口がクサイときにできる対処法や、臭いの防止方法を解説しました。洗濯機の排水口の臭いに悩んだら、まずは自分ができる範囲で掃除をしてみてください。必要な洗剤や道具はすぐに用意できるものばかりで、手順も簡単です。

掃除をしても排水口の臭いが発生しているなら、管理会社や水道局指定業者に連絡します。時間的な余裕がある場合は、複数社から見積もりを取るとよいでしょう。業者によって料金やサービス範囲が異なるため、比較することでより安く、対応の良い業者を選べます。

水道屋本舗では、洗濯機の排水口掃除や、給水ホースの交換、蛇口の修理・交換など、幅広い水回りのトラブルを解決しています。24時間ご相談が可能で、急なごトラブルにも対応できます。お見積りは無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。