給湯器の温度設定が光熱費の節約につながる？推奨されている温度設定と理由をわかりやすく解説！

給湯器の温度設定をあまり意識されていない方も多いかもしてません。実は推奨されている給湯器の温度設定は、蛇口の種類によって異なります。適切な温度設定にし、光熱費を節約し、使用感を向上させましょう。給湯器の温度設定について、詳しく解説するので是非ご一読ください。

給湯器は好きな温度に設定できます。何となく自分が実際に使う温度に設定している方も多いのではないでしょうか？実は給湯器を適切な温度設定にすることで、ご使用感の向上や、ガス代や電気代、水道代などの光熱費の節約が見込めます。
しかし、何となくで給湯器の温度設定を変えると、効率が悪くなってしまったり、光熱費が高くなってしまう恐れがあります。

本記事では、推奨されている給湯器の温度設定だけでなく、何故節約に繋がるのか、温度設定において注意する点なども解説するので、是非ご参考ください。

蛇口別の給湯器の推奨されている温度設定を解説

給湯器を生産しているメーカーは数多く存在し、機器や機能、お湯が沸く仕組みなども様々です。
推奨している温度設定においても、「40度前後」または「50から60度程」とおおまかに2つに分類されていることをご存知でしょうか？
何故、推奨温度設定が変わってくるのか、その理由に大きく関係しているのが「ご使用の給湯器がどのタイプの蛇口を採用しているのか」ということです。給湯器は、どのタイプの蛇口を採用しているかで、適切な温度設定が変わってきます。

まずは、使用している給湯器や交換・購入を検討している給湯器がどのタイプの蛇口を採用しているのか、取り扱い説明書で確かめましょう。蛇口の種類は大きく分けて、下記の4つになります。

・単水栓
・2ハンドル混合水栓
・シングルレバー混合水栓
・サーモスタット混合水栓

さっそく、それぞれの蛇口の特徴と推奨されている温度設定を解説していきましょう！

その１　単水栓の場合

単水栓とは、お湯または水のどちらか一方だけを出す蛇口。蛇口自体で温度設定をする機能はなく、ハンドルをひねることでお湯や水を出し・止め、水量の調整する機能のみ持つ、とてもシンプルな蛇口です。一般的に学校や公園の蛇口に多く用いられるものを想像するとわかりやすいかもしれません。

蛇口自体に温度設定の機能がないので、単水栓の場合は実際に使用したいお湯の温度に給湯器の設定をしましょう。ご使用しやすいお湯の温度は、38度から41度が多いかと思われるので推奨温度設定は、「40度前後」とされています。

その２　2ハンドル混合水栓の場合

2ハンドル混合水栓とは、1つの吐水口に対してお湯用と水用の2つのハンドルがついている湯水混合の蛇口。お湯と水のハンドルをそれぞれどのくらいひねるか、その加減によって、温度と水量を調整することができます。単水栓同様、シンプルな構造で、昔からよく見るタイプの蛇口です。

2ハンドル混合水栓の場合、お湯と水を混ぜて用途によって温度を変えるため、推奨温度設定は高めの「60度前後」とされています。しかし、それぞれハンドルのひねり具合によって温度を調整するのは少し手間が掛かり、難しいのでご自身の使い方に合わせて設定するのがいいでしょう。

その３　シングルレバー混合水栓の場合

シングルレバー混合水栓とは、お湯や水量を調整するハンドルの代わりにシングルレバーたった1つで、温度調整や水量を調整できる蛇口。レバーをお湯側に目いっぱい回すと給湯器の設定温度が出て、水側に回すと水が出る仕組みです。レバーの回し具合によって、お湯・水共に温度設定が可能。近年のキッチンや洗面所の蛇口に多く見られるものといえば想像しやすいかもしれません。

給湯温度設定と水を混ぜて温度調整するので、実際使うお湯の温度より高めの「60度前後」が推奨されています。

その４　サーモスタット混合水栓の場合

サーモスタット混合水栓とは、お湯と水の温度を自動的に調整することができ、温度を限りなく一定に保つことができる蛇口。給湯の際にスプール部で水と混ぜて吐水し、水温によって内部の形状記憶合金（SMAコイルバネ）が伸び縮みして湯水のバルブが動くことで、お湯と水の量を相対的にコントロールする仕組みです。近年の浴室によく使用されている蛇口を想像するとわかりやすいでしょう。

しかし、給湯温度に対して水を足して温度を調整するため、吐水温度は給湯温度設定よりも低くなります。なので推奨給湯温度設定は、実際使うお湯の温度よりも高めの「50から60度程」とされています。

給湯器の温度設定で節約できる理由

それぞれの蛇口の仕組みについて解説しましたが、ここからは何故給湯温度設定が節約に繋がるのか、メカニズムをご説明していきましょう。

先述した通り、単水栓の推奨されいている給湯温度設定は、40度前後。単水栓は、温度設定が高ければ高いほどお湯を沸かすのにエネルギーを必要とするので、電気代やガス代など光熱費はかさみます。なので、給湯温度はなるべく低い方がエネルギーの消費量が少なく、光熱費の節約になります。

経済産業省の資源エネルギー庁が発表している研究データによると、食器を洗う際に低温に設定すると（水温20度65Lの水道水を使い、ガス給湯器の温度設定を40度から38度に下げ、1日2回使用した場合）ガス代が年間で1,430円程、節約できるとのこと。

ストップ！給湯器の温度設定の注意点

しかし、一概に給湯器の温度設定を低くすれば節約になるとは言えません。サーモスタット混合水栓の場合、温度設定を低くするのは逆効果です。

使う温度よりも高めの温度設定にすることが重要！？

サーモスタット混合水栓の生産メーカーは、実際に使う温度よりも10度程度高い温度設定を推奨しています。理由をご説明しましょう。

まず重要になってくるのは、サーモスタット混合水栓は、給湯器で沸かしたお湯と水を混ぜて適切な温度のお湯を作り吐水するため、実際に出てくるお湯は給湯温度設定よりも低くなるということ。また、水圧など条件によっても低下する温度の幅も変動します。

給湯温度を低めに設定すると、希望の温度になるまで時間が掛かり水を出しっぱなしにしてしまうことに繋がるので、結果的に光熱費が高くなります。
特に注意したいのが、実際に使いたい温度と給湯温度を同じ、またはそれ以下に設定すること。お湯が使いたい温度よりも低くなってしまいます。水圧も弱くなる可能性があるので注意しましょう。

給湯器の温度設定以外のガス代・電気代の節約方法

給湯器の温度設定以外にも、水まわりに関する節約する方法をご紹介しましょう。

簡単にできて、続けやすい工夫や改善策を5つピックアップしました。

1．お湯を沸かす際は給湯器のお湯を使う
2．シャワーはこまめに止める
3．追い炊きはなるべく避ける
4．お湯を使用しない時はリモコンの電源を切る
5．省エネタイプの給湯器に交換する

1．お湯を沸かす際は給湯器のお湯を使う

お料理の際などにお湯を沸かす際は、水道水をガスコンロで沸かすよりも給湯器のお湯を使う方が格段にガス代を節約できます。

キッチンで1Lのお湯を20度から100度に沸かす場合、なんとガス使用量が約47%削減もでき、大幅な節約が見込めます。

2．シャワーはこまめに止める

シャワーを1分間使用するとどのくらいのお湯が流れるかご存知でしょうか？なんと約12Lです。16分間の使用で浴槽1杯分に相当する計算になります。

経済産業省の資源エネルギー庁が発表しているデータによると、お湯（45度とする）を流す時間を毎日1分間短縮した場合、年間で水道代約1,140円、ガス代約2,070円、トータルで3,210円ほどの節約になるとのこと。

こまめにシャワーを止めることで、簡単に節約できるでしょう。

3．追い炊きはなるべく避ける

ご家族でお住まいの場合、なるべく入浴の間隔を開けず、追い炊きを裂けましょう。

経済産業省の資源エネルギー庁が発表しているデータを引用すると、追い炊きを使用しない場合と、浴槽にたまっているお湯を200Lと仮定して2時間の放置により4.5度、温度が低下したお湯を1日1回追い炊きする場合を比較した結果、年間で約6,190円の節約が可能とのこと。

入浴後は浴槽のフタをする、間隔を開けずに入浴するなど、日頃から追い炊きを避ける意識をすることで大幅な節約に繋がります。

4．お湯を使用しない時はリモコンの電源を切る

給湯器のリモコンは電子機器なので、使用時以外は電源を落とすことで僅かではありますが待機電力の消費量を減らすことができ、節電と節約が見込めます。しかし、待機電力の消費量を減らすために電源プラグを抜くことはやめましょう。

給湯器は、気温が下がると察知して、自動ポンプ運動装置や凍結を予防するヒーターが作動する機能があります。電源プラグごと抜いてしまうとその機能も停止するため、給湯器内部や配管内の水が凍結して故障してしまう恐れがあります。

5．省エネタイプの給湯器に交換する

ここまで日常的に使える節約術をご紹介してきましたが、もっと根本的に節約したいなら省エネタイプの給湯器に交換する方法が確実です。
今回ご紹介する省エネタイプの給湯器は、「エコキュート」と「エコジョーズ」です。それぞれの特徴を紹介しましょう。

「エコキュート」
エコキュートはヒートポンプ給湯器とも言われ、ヒートポンプを使い、大気中の熱を集めて、空気熱交換器で圧縮することで高温にして、その熱を利用しお湯を沸かす仕組み。
従来のガス給湯器からエコキュートに交換することで、光熱費を約40から50%も削減できる可能性があります。
エコキュートは、光熱費の節約だけでなくCO2の排出量も抑えられるため、環境にも優しく、地球温暖化防止の一環になります。

「エコジョーズ」
エコジョーズは、少量のガスで効率よくお湯を沸かすことができるガス給湯器。製品によって差は出てくるものの、従来のガス給湯器よりもガスの使用量を13%程削減できると言われています。
機種によっては、CO2も13%程削減できるので、エコジョーズもエコキュート同様、環境に配慮することができます。

給湯器の温度設定を意識して節約上手に！

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
本記事では、適切な給湯器の温度設定や普段からできる節約方法について解説しました。

是非、日常生活で参考にしてみてください。

また、水道屋本舗では給湯器の交換も承っております。
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