目次
「水やお湯の出が悪い」
「蛇口から水漏れしている」
「お風呂場の蛇口が故障してしまった」
「キッチンの蛇口を使いやすいものに交換したい」
上記のように、キッチンやお風呂、洗面台の蛇口の交換を検討している人のなかには、できれば自力で蛇口を交換して出費を抑えたいという人もいるのではないでしょうか。
蛇口は正式には「水栓」と呼ばれます。そのなかでも、お湯と水の両方が排水できる「混合栓(混合水栓)」は、設置されている場所によって交換手順や交換時の注意点が異なります。
本記事では、混合栓のタイプ別に交換方法や交換時の注意点をみていきましょう。そのほか、自力での交換が難しい場合の業者選びのポイントや費用目安も参考にしてください。
【内部リンク設置】
『蛇口のハンドルは簡単に交換できる!その方法を分かりやすく解説』
故障かなと思ったら?交換前の確認事項
蛇口周りでトラブルが起きた場合、多くの人が水栓の故障を疑うものです。しかし、汚れの詰まりや部品の劣化が原因で、水栓自体は故障していない可能性もあります。
「水やお湯の出が悪くなった場合」「水漏れしている場合」は、慌てて蛇口を交換する前に下記を確認しておきましょう。
水やお湯の出が悪くなった場合
水やお湯の出が悪くなった場合、汚れやゴミがつまり、流れが悪くなっている可能性があります。
吐水口の場合は、キャップを外してキャップや流水網を掃除します。歯ブラシなどを使ってメッシュの間に入ったゴミを取り除きましょう。
シャワーヘッドの場合は、ホースとの間にゴミを除去するストレーナーがあります。ヘッドを外して、ストレーナーを掃除しましょう。脚部にもストレーナーがありますが、製品によって位置が異なるため、説明書を確認しながら取り外してください。また、シャワーヘッドの場合、シャワーの穴も目詰まりするため、針などを差して詰まりを除去します。
【内部リンク設置】
『水が出ない!ある日突然起きた水が出ないトラブルの原因と対策を知って回避させよう!』
水漏れしている場合
水漏れの場合、水栓の故障や劣化も考えられますが、ナットのゆるみやパッキンの劣化もよくあるトラブル原因です。
ナットは、一般的に水栓と壁との接続部や水栓と給水ホースの接続部、操作レバーの付け根などに使用されています。吐水口以外から漏れている場合は、まずナットのゆるみを確認しましょう。ゆるんだナットは時計回りに回すと締まります。
パッキンは、10年程度が寿命です。古い水栓の場合は、パッキンを交換して水漏れが起きるか確認してみるとよいでしょう。ひびが入っていたり弾力を感じなかったりするパッキンは、すでに劣化しているので使用年数にかかわらず交換が必要です。
パッキンは、吐水口のほか止水栓との間にも使われています。種類が多いため、水漏れしている場所に適した材質・サイズのものを選びましょう。
【内部リンク設置】
『蛇口水漏れが起きた時どうする!?ポタポタ垂れる蛇口水漏れの直し方を解説します』
混合栓の4つの設置タイプ
混合栓は、設置方法によって4つのタイプに分けられます。
●壁付タイプ ●台付ワンホールタイプ ●台付ツーホールタイプ(デッキタイプ) ●コンビネーションタイプ |
交換方法がそれぞれ異なりますが、DIYで混合栓を交換したい場合、基本的に同じタイプを選ぶ必要があります。まずは自宅で使用している混合栓がどのタイプなのか確認が必要です。
別のタイプの水栓を使用したい場合は、業者に依頼して、「希望の水栓が設置可能か」「蛇口交換以外の工事が必要なのか」を確認しなければなりません。
キッチン・浴室に多い「壁付タイプ」
壁付タイプの混合栓は、壁に直接水栓が取り付けられている蛇口です。2つの偏心管(取り付け脚)を使って給水管・給湯管に接続されているだけなので、初心者でも簡単に交換作業ができます。偏心管とは給水管・給湯管と水栓本体をつなぐ配管です。
比較的築年数が古い家のキッチンで多く使われるほか、浴室でもよく見られます。
カウンターキッチンに多い「台付ワンホールタイプ」
台付ワンホールタイプの混合栓は、天板やカウンター台に水栓本体が設置されている蛇口です。取り付け穴は1つで、そのなかに給水管・給湯管の両方が通っています。
カウンターキッチンやシステムキッチンのほか、洗面台でもよく見られます。
浴室・洗面台に多い「台付ツーホールタイプ(デッキタイプ)」
台付ツーホールタイプの混合栓は、天板やカウンター台に2つの取り付け穴が空いており、それらを覆う台に水栓本体が設置されている蛇口です。取り付け穴には、それぞれ給水管と給湯管が通っています。なかでも、水栓本体の台座にカバーが付いた止水栓が接続されているものは、「デッキタイプ」と呼ばれます。
浴室の浴槽や洗面台のシンクで多く使われているタイプです。
洗面台に多い「コンビネーションタイプ」
コンビネーションタイプの混合栓は、排水口と操作レバーが別々になっている蛇口です。「洗髪シャワータイプ」と呼ばれることもあります。排水弁と水栓は連結していないので、水栓を交換してもそのまま使用を続けることができます。
コンビネーションタイプは、洗面台のシンクでよく使われています。
壁付タイプ混合栓の交換方法
まずは、壁付タイプの混合栓の交換方法や交換時の注意点についてみていきましょう。
壁付タイプの混合栓は、必要な工具が少なく、適合サイズの製品を用意できれば、比較的簡単に交換が可能です。同じ壁付タイプの混合栓への交換であれば、素人でもDIYに挑戦しやすいでしょう。
必要な工具
●モンキーレンチ ●シールテープ ●ものさし |
そのほか、掃除用の歯ブラシや手を保護する軍手、周囲を濡らさないためのタオル・雑巾も用意しておきます。
シールテープは、ネット通販やホームセンターで購入可能です。1m・5m・10mなどとさまざまな長さがありますが、壁付けタイプの混合栓の交換では1mあれば十分でしょう。ただし、初めての施工であれば失敗して巻きなおすことも考えられます。慣れていない人は、長めのものを用意するのがおすすめです。
壁付タイプ混合栓を交換するときの注意点
壁付タイプの混合栓を交換するときは、壁から出ている偏心管の距離を測って、設置できる混合栓のサイズを確認しましょう。偏心管の距離は、配管の中心と中心で測ってください。105mm~225mmが一般的です。
また、壁付タイプの場合、偏心管を回転させながら給水管・給湯管に取り付けます。配管周りに障害物があると偏心管を取り付けられない可能性があるため、障害物との距離が近い場合は偏心管アダプターの用意が必要になります。
交換の手順
壁付タイプ混合栓の交換手順は、大きく下記の5ステップあります。
STEP1 水道の元栓を閉めて既存の水栓を外す
STEP2 偏心管を外して配管を清掃する
STEP3 新しい偏心管の回転数を確認する
STEP4 偏心管にシールテープを巻いて取り付ける
STEP5 新しい水栓本体を取り付ける
1つずつ詳細を説明します。
STEP1 水道の元栓を閉めて既存の水栓を外す
作業前には、必ず止水栓を閉めて水が出ないようにしておく必要があります。戸建ての場合は屋外に、集合住宅の場合は玄関横のパイプスペース内にあるのが一般的です。
水が出ないことを確認したら、既存の混合栓を外します。モンキーレンチを使って、水栓本体の後ろにあるナットを反時計回りに回して緩めましょう。最後は、落ちないように手で水栓本体を支えながら、指でナットを回して取り外します。
STEP2 偏心管を外して配管内を清掃する
偏心管は、偏心管本体を反時計回りに回して取り外します。このときに、無理に回すと給水管・給湯管を傷つけ、配管修理が必要になるリスクもあるので注意が必要です。動かない場合は、無理に回さず、業者に依頼することをおすすめします。
偏心管が外れたら、給水管・給湯管内を歯ブラシで掃除します。古いシールテープやゴミが残ったままだと、水漏れの原因になるため、必ず掃除を行い、汚れを掻き出してください。
STEP3 新しい偏心管の回転数を確認する
続いて、新しい水栓の偏心管を使って、取り付け時の回転数を確認します。偏心管をシールテープを付けない状態で給水管・給湯管に差し込み、時計回りに何回転するのかを数えましょう。給水管・給湯管のどちらも、それぞれ確認が必要です。
偏心管を2つとも奥まで取り付けたら、左右の偏心管の高さが壁と平行になっているか、ものさしを使って確認します。確認が終わったら、偏心管は一度取り外しておきましょう。
STEP4 偏心管にシールテープを巻いて取り付ける
取り外した偏心管のネジ部分にシールテープを巻きます。シールテープは軽く引っ張りながら、7~10回程度時計回りに巻き付けましょう。
シールテープをまいた偏心管は、軽く押し込みながら取り付けます。シールテープの厚み分を考慮し、STEP3で確認した回転数より1回程度減らして回し、左右の偏心管が「へ」の字になる位置で止めてください。左右で回数が変わる可能性もあるので要注意です。
STEP3の段階で、偏心管の高さが壁と平行になっていなかった場合は、左右で高いほうに合わせて、低かったほうの回転数を減らして取り付けます。
また、一度時計回りに締めた偏心管を反時計回りに回してしまうとシールテープが削れて、水漏れの原因となります。高さ調整に失敗したら、シールテープを巻きなおすところからやり直しましょう。
STEP5 新しい水栓本体を取り付ける
左右の偏心管を平行にできたら、新しい水栓を取り付けます。偏心管と水栓本体の間にパッキンを入れ、まずは左側の偏心管だけ取り付け、右側が付けられる位置まで時計回りに動かします。右側の偏心管を左に合わせてしまうと、反時計回りに回すことになってしまうので、右側の偏心管は絶対に動かさないことがポイントです。
この時点では仮止めの段階なので、ナットは工具を使わず指で軽く締めておきます。左右とも仮止めできたら、水栓本体が床と平行になるよう動かします。水栓全体を時計回りにゆっくり回してください。
水栓本体が水平になったら、水栓スパナまたはモンキーレンチを使ってナットを締めて固定します。最後に、吐水口から水が問題なく出るか、水漏れはないか確認して作業完了です。
台付ワンホールタイプ混合栓の交換方法
続いて、台付ワンホールタイプの混合栓の交換方法や交換時の注意点についてみていきましょう。
ワンホールタイプの場合、取り付け穴のサイズのチェックが必要となります。また給水ホースの接続も必要なので、人によってはDIYは難しいと感じるかもしれません。
必要な工具
●モンキーレンチ ●六角レンチ ●ナット締付工具 ●プラスドライバ ●マイナスドライバー |
ナット締付工具とは、狭いスペースでもナットを締められる工具です。台付ワンホールタイプの混合栓はシンク下での作業が発生するため必要となります。また、製品・取付状況によっては、水まわりの修理専用の水栓プライヤー・ウォーターポンププライヤーが必要になることもあります。
家にない工具は、ホームセンターやネット通販で購入できますが、ホームセンターのレンタルサービスも利用可能です。そのほか、掃除用の歯ブラシや、軍手、ゴム手袋、タオル・雑巾も用意しておくとよいでしょう。
交換するときの注意点
台付ワンホールタイプを交換するときは、取り付け穴のサイズを測って、設置できる水栓のサイズを確認しましょう。取り付け穴のサイズは、既存の水栓を取り外し、穴の直径を測ってください。国内大手メーカーであれば、33~39mmが一般的です。
台付ワンホールタイプの場合、シンク下やシンク下の壁にの中に水栓本体から給水管・給湯管に繋げるための給水ホース+逆止弁が設置されています。ホースの長さが足りない場合は、継ぎ足しソケットやフレキシブル管を使って延長しなければなりません。反対に、ホースが長すぎると配管が折れ曲がるため、止水栓の向きを変えたりフレキシブル管を使ったりして、給水ホースが折れないよう工夫が必要です。
給水管・給湯管の止水栓が極端に高い・低い場合は、専門業者に相談したほうが安心でしょう。
交換の手順
台付ワンホールタイプ混合栓の交換手順は、大きく下記の4ステップあります。
STEP1 止水栓を閉める
STEP2 給水ホース・逆止弁(ジョイント金具)を取り外す
STEP3 既存の水栓本体を取り外す
STEP4 天板を掃除する
STEP5 新しい水栓本体・逆止弁(ジョイント金具)を取り付ける
STEP6 給水ホースを接続する
ワンホールタイプの混合栓は、給水ホースの扱いに注意が必要です。
STEP1 止水栓を閉める
止水栓は、シンク下にあるのが一般的です。給水管・給湯管にあるハンドルを時計回りに回して止水栓を閉めましょう。ただし、アングル型・ストレート型といった止水栓が使われている場合は、マイナスドライバーの使用が必要です。
なかには、シンク下の壁の中に止水栓が設置されていることもあります。止水栓が見つからないときは、水道の元栓を閉めてください。
STEP2 給水ホース・逆止弁(ジョイント金具)を取り外す
水が出ないことを確認したら、シンク下の給水管・給湯管と給水ホースを固定しているナットを外して、給水ホースを取り外しましょう。あわせて、逆止弁またはジョイント金具も一緒に外しておきます。
このとき、シンク下の床にタオルを敷いておくと、水濡れを防止できます。
STEP3 既存の水栓本体を取り外す
続いて、水栓本体を天板に固定している金具を工具を使って外します。天板の上から固定している「上面施工式」の場合は六角レンチやドライバーを使います、シンク下で固定している「ボトル式」「ナット式」の場合は、ナット締付工具が必要になることがあります。
固定方式は、既存の水栓の説明書を確認してください。説明書が見つからない場合でも、製造メーカーのWebサイトで検索できます。
水栓本体+給水ホースを取り付け穴から引き抜けば、既存の水栓の取り外し完了です。給水ホースは、先端に固定ナットが付いているため、1本ずつ丁寧に取り付け穴を通してください。
STEP4 天板を掃除する
取り付け穴周辺には水垢が溜まっていることがあります。普段は露出しないところなので、新しい水栓を設置する前に掃除しておきましょう。
水垢はアルカリ性なので、水回り用の洗剤やクエン酸などの酸性洗剤を用いると落ちやすくなります。ただし、ステンレスや人工大理石は強酸性で劣化するため、中性洗剤を使って丁寧に落とすようにしましょう。
酸性洗剤を使う場合、手肌を傷めやすいため、ゴム手袋の使用がおすすめです。
STEP5 新しい水栓本体・逆止弁(ジョイント金具)を取り付ける
新しい水栓は、給水ホースを取り付け穴に通し、水栓本体を天板に取り付けるところから始めます。給水ホースは、1本ずつ取り付け穴を通しましょう。
新しい水栓の取扱説明書を読んで、固定方式を確認し、説明書通りに水栓本体をしっかり天板に固定してください。天板が陶器製の場合は、強く締めすぎるとひび割れの原因となるため注意が必要です。
続いて、給水管・給水管の止水栓に新しい逆止弁またはジョイント金具を取り付けます。止水栓と逆止弁の間には、忘れず新しいパッキンを挟んでください。
STEP6 給水ホースを接続する
最後に、固定した逆止弁に給水ホースをつなぎ、ナットを締めて固定します。交換時の注意点で触れた通り、給水ホースが折れ曲がらないよう注意してください。
また、給水ホースには、水用・お湯用の2種類があるので取り違えないようにしましょう。基本的に配管は、向かって右の配管が水、左の配管がお湯です。製品にもよりますが、多くの給水ホースで赤と青のテープやラインで色分けがされています。
最後に、水栓の動作や水漏れを確認して作業完了です。
台付ツーホールタイプ混合栓の交換方法
次は、台付ツーホールタイプ混合栓の交換方法や交換時の注意点についてみていきましょう。
台付ツーホールタイプの場合、取り付ける場所によって適合するタイプが異なります。しっかりと製品のサイズを確認してから購入することが必要です。また、給水管・給湯管の場所によっては、DIYできない可能性があります。
必要な工具
●モンキーレンチ ●ナット締付工具 ●プラスドライバー ●マイナスドライバー |
そのほか、掃除用の歯ブラシや、軍手、ゴム手袋、タオル・雑巾も用意しておくとよいでしょう。タオルや雑巾は、周辺を濡らしたくない場合に使用してください。
家にない工具は、ホームセンターやネット通販で購入するか、レンタルサービスの利用がおすすめです。
交換するときの注意点
台付ツーホールタイプの混合栓を交換するときは、取り付け穴の中心と中心の間の距離を測って、設置できる混合栓のサイズを確認しましょう。取り付け穴間の距離は、キッチン用の混合栓の場合203mmが、ミニキッチン用・洗面台用の混合栓の場合は102mmが一般的です。ただし、浴室用の混合栓の場合、85mm・105mm・120mmの3種類があります。
浴槽に設置したい場合、スパウト(吐水パイプ)の長さの確認も欠かせません。吐水パイプの長さが短いと浴槽に届かなくなってしまいます。
また、給水管・給湯管がシンク下にはなく、壁のなかに隠されていることも多いものです。その場合、シンクキャビネットの撤去や点検口の設置など、別途工事が必要になることがあります。給水管・給湯管が見つからない、手が届きにくい場所にあるときは、無理にDIYせずに、業者に依頼しましょう。
交換の手順
台付ツーホールタイプ混合栓の交換手順は、大きく下記の3ステップあります。
STEP1 止水栓を閉める
STEP2 既存の水栓を取り外す
STEP3 天板を掃除する
STEP4 新しい水栓を取り付ける
1つずつ、必要な作業の詳細を説明します。
STEP1 止水栓を閉める
まずは、止水栓を閉めて水を止めます。
洗面台の場合、洗面台下・シンク下のパイプに付いているハンドルが止水栓です。浴室の場合、水栓の下・浴槽の側面にある点検口に止水栓があります。浴室の止水栓は、マイナスドライバーを使い、ほかの止水栓と同様に時計回りに回すと閉まります。
水栓に止水栓を接続したデッキタイプの場合は、台座のカバーを外した中に止水栓があります。マイナスドライバーで時計回りに回して止水栓を閉めましょう。
止水栓が見つからない場合は、水道の元栓を閉めることで水を止められます。
STEP2 既存の水栓を取り外す
給水管・給湯管に繋がっているナットをそれぞれ外します。
台付ツーホールタイプの場合、水栓本体が給水管・給湯管に直接繋がっているので、天板の裏側・点検口の内側にあるナットをモンキーレンチやナット締付工具などを使って外してください。洗面台の場合、十分なスペースがないこともあるため、ナット締付工具があると便利です。
ナットが外れたら、上に引き抜くと水栓本体を取り外せます。デッキタイプも、同様に上に引き抜けば止水栓ごと抜けます。
STEP3 天板を掃除する
続いて、取り付け穴周辺の汚れをキレイに掃除しましょう。ツーホールタイプは、天板に接している面積が大きいため、より広い範囲で汚れが溜まっている可能性があります。
アルカリ性の水垢を落とすには、酸性洗剤を用います。酸性洗剤は手肌を傷めやすいため、ゴム手袋の使用がおすすめです。
ただし、ステンレスや人工大理石は、酸性度が強すぎると傷つく恐れがあるので、シンクの材質によっては中性洗剤で落とすようにしましょう。
STEP4 新しい水栓を取り付ける
最後に、新しい水栓を取り付け穴に差し込み、シンク下・点検口内の給水管・給湯管を接続、ナットを時計回りに回して固定します。水栓と給水管・給湯管の間には忘れず新しいパッキンを入れてください。
デッキタイプは、新しい止水栓を新しい水栓に取り付け、他のツーホールタイプの混合栓と同様に取り付け穴に差し込んで固定します。
作業が終わったら、止水栓を開けて吐水口から水が出るか、水漏れはないか確認して作業完了です。デッキタイプはカバーを被せてから、動作チェックを行いましょう。
コンビネーションタイプ混合栓の交換方法
最後は、コンビネーションタイプ混合栓の交換方法や交換時の注意点を解説します。
天板に穴が2つあることで、ツーホールタイプへの変更を検討する人も少なくありません。しかし、コンビネーションタイプとツーホールタイプの混合栓には互換性がないので注意してください。
必要な工具
●モンキーレンチ ●六角レンチ ●ナット締付工具 ●プラスドライバー ●マイナスドライバー |
そのほか、歯ブラシ・軍手・ゴム手袋・タオルや雑巾も用意しておくとよいでしょう。家にない工具は、ネットやホームセンターで購入するまたは、ホームセンターなどのレンタルサービスも利用できます。
交換するときの注意点
コンビネーションタイプの混合栓を他のタイプ水栓に変更したい場合、基本的にシンク・洗面台の交換が必要になります。
排水口と操作レバーが別々なので、設置するための穴が2つ空いており、ワンホールタイプの水栓を設置すると、穴が1つ余ってしまいます。
また、天板に穴は2つ空いていますが、内部構造が異なるためツーホールタイプへの変更も困難です。ツーホールタイプからコンビネーションタイプへ、コンビネーションタイプからツーホールタイプへの交換はいずれもDIYでは難しいといわれています。
コンビネーションタイプから他タイプへの変更は、シンク・洗面台の交換を含め、業者に相談するのがよいでしょう。
交換の手順
コンビネーションタイプ混合栓の交換手順は、大きく下記の5ステップあります。
STEP1 止水栓を閉める
STEP2 給水ホース・逆止弁(ジョイント金具)を外す
STEP3 既存の水栓本体を取り外す
STEP4 天板を掃除する
STEP5 新しい水栓本体・操作レバーを取り付ける
STEP6 逆止弁を取り付けて給水ホースとつなぐ
コンビネーションタイプからコンビネーションタイプへの交換をする場合の手順をみていきましょう。
STEP1 止水栓を閉める
他の混合栓と同様に、まずは給水管・給湯管の止水栓を閉めて水を止めます。洗面台下・シンク下のパイプに付いているハンドルを、時計回りに回すことで止水できます。
なかには、給水管・給湯管が壁の中に隠されていることもあります。止水栓が見つからない場合は、水道の元栓を閉めて止水しましょう。
STEP2 給水ホース・逆止弁(ジョイント金具)を外す
止水栓を閉めたら、ナットを反時計回りに回してゆるめ、給水管・給湯管と水栓本体をつないでいる給水ホースを取り外します。給水ホース内に水が残っていることもあるため、タオルや雑巾を敷いておくと安心です。
給水管に逆止弁またはジョイント金具が付いている場合は、こちらも取り外しておきます。
STEP3 既存の水栓本体を取り外す
続いて、水栓本体を取り外す作業に入ります。コンビネーションタイプでは、吐水口を含む水栓本体と操作レバーをそれぞれ外す必要があります。
いずれも、シンクの下、天板の裏に固定されているので、かなり作業スペースが狭いことが予想されます。ナット締付工具を用意しておいたほうがよいでしょう。
STEP4 天板を掃除する
取り付け穴周辺は水垢などで汚れていることがあるため、新しい水栓を取り付ける前に掃除しておきましょう。水垢はアルカリ性なので、水回り用の洗剤やクエン酸などの酸性洗剤を使用します。
酸性洗剤は手荒れしやすいため、できるだけゴム手袋を付けてから作業することをおすすめします。
STEP5 新しい水栓本体・操作レバーを取り付ける
新しい水栓と操作レバーをそれぞれの取り付け穴に差し込みます。外したときと同様に、天板裏から固定します。固定方式や固定金具の付け方は、新しい水栓の説明書をよく確認して順番通りに取り付けましょう。
天板が陶器製の場合は、強く締めすぎると割れることがあるため注意が必要です。
STEP6 逆止弁を取り付けて給水ホースとつなぐ
給水管・給湯管の止水栓に、パッキンを入れた新しい逆止弁を取り付けます。止水栓が一緒に回ってしまう可能性があるため、モンキーレンチなどで固定しながら接続してください。逆止弁がない場合はジョイント金具を取り付けます。
逆止弁やジョイント金具を取り付けたら、給水ホースとつなぎましょう。通常、右が水の配管、左がお湯の配管なので、それぞれ間違えずに接続します。最後に、水漏れや動作不良がないかを確認して作業完了です。
【内部リンク設置】
『洗面台のシャワーヘッドを交換したい!全体交換する場合や部分交換の手順について詳しく解説します』
【4タイプ共通】混合栓を交換するときの注意点
ここまで、水栓タイプ別に混合栓を交換するときの注意点をみてきましたが、共通して覚えておきたい事柄も存在するのでまとめてみていきましょう。
●施工説明書を確認する ●電源を必要とする作業には資格が必要 ●誤った施工をすると漏水・水漏れのリスクがある ●古い水栓の廃棄方法は自治体ごとに異なる ●作業が難しいと感じたらすぐに業者に相談する |
場合によっては、初めから業者に依頼したほうが早くて安かったという事態になりかねないので注意してください。
施工説明書を確認する
どの水栓タイプであっても、使い方や困ったことが記載されている取扱説明書とは別に、取り付け方や必要な下準備を記した施工説明書が存在します。日本の大手メーカーの製品であれば、必要な工具類はもちろん、ナットを回す方向まで図解付きで詳しく説明してくれています。
DIYで混合栓の交換をする場合は、必ず施工説明書を確認してから作業を始めましょう。同じタイプの水栓であっても、製品によって部品の数や取り付けのタイミングが異なるので、説明書通りの手順で進めることが重要です。
電源を必要とする作業には資格が必要
タッチレス水栓など電子水栓の場合、電源を必要とするため取り付けには電気工事が必要になることがあります。電気工事は第2種電気工事士以上の資格が必要です。電源を必要とする作業は、基本的にDIYできないと考えておきましょう。
素人による電気工事は法律違反になるだけでなく、火事や感電のリスクが高く、非常に危険です。100V電源配線やアース配線の作業が必要な場合は、必ず資格を持った業者に依頼してください。
誤った施工をすると漏水・水漏れのリスクがある
水栓にはさまざまな部品があり、施工を誤れば漏水や水漏れにつながります。
漏水や水漏れが起きると、床が腐ったり下層階への被害が発生したりと大きなトラブルに発展しかねません。集合住宅で大きな水漏れ被害が起きると、汚損した家具や壁紙、床のクリーニングや買い替えにかかる費用や、精神的苦痛に対する慰謝料などが求められます。
被害の大きさによっては、100万円以上の高額な損害賠償が請求されることもあるでしょう。配管の劣化など借主に過失がない場合は賠償責任を負いませんが、DIYによる水栓交換が原因の場合は、借主の過失と判断されて、責任を追及される可能性が高いといえます。
古い水栓の廃棄方法は自治体ごとに異なる
取り外した古い水栓の廃棄方法は、自治体ごとに異なります。一般的には不燃ごみまたは粗大ごみに該当しますが、金属部のみ資源として回収するところもあります。分別がわからない場合は、市町村のWebサイトや役所の生活環境課で確認しましょう。
また、水栓によっては売却が可能なケースもあります。同じ製品が買取対象になっていないか、確認してみてもよいでしょう。高機能な混合栓であれば高価買取も期待できます。
作業が難しいと感じたらすぐに業者に相談する
「施工説明書を読んでも理解できない箇所がある」「購入した水栓と取り付け穴のサイズが違った」「部品が固着して動かない」など、自身での作業が難しいと感じたら、すぐに業者に相談しましょう。
先述の通り、誤った施工をすると漏水や水漏れを起こし、高額な損害賠償を請求されることも考えられます。作業の途中であっても、不安を感じた時点でプロに任せることが重要です。
配管を傷つけたり施工不良を起こしたりすれば、水栓交換よりも高額な費用がかかることも考えられます。
業者に依頼するときの費用相場
それでは、業者に混合栓の交換を頼む場合、費用はどの程度かかるのでしょうか。ここからは、業者に依頼する場合の相場についてみていきます。
施工費込みで約5万円が相場
混合栓の交換を業者に依頼すると、水栓本体の購入費と施工費用で5万円程度が必要になると考えておきましょう。
水栓本体の金額は、水栓タイプや設置場所、機能などによって1万~10万円とかなりの幅があります。施工費用も水栓タイプや設置場所によって多少は変動しますが、特殊な事情がない限り1~3万円程度で収まるのが一般的です。別途、出張費用や部品代、見積り料金がかかる業者もあります。
なお、洗面台<浴室<キッチンの順で金額が上がる傾向があります。洗面台なら施工費用込で2~3万円でできることも多いようです。
タイプ別の料金相場
水栓本体の相場は、おおよそ下記のとおりです。しかし、機能や使われている素材によっては、相場よりも安価・高価な製品も数多くあります。あくまでも目安の金額としてください。
水栓タイプ | 水栓本体価格 | 施工費用 |
壁付タイプ | キッチン:1~1万5,000円
浴室:8,000~3万円 |
1万~2万円 |
台付ワンホールタイプ | 1~10万円 | 1万~2万5,000円 |
台付ツールーホールタイプ | 1~4万円 | 1万~2万5,000万円 |
コンビネーションタイプ | 1万5,000~3万円 | 1万~3万円 |
とくに、キッチンの水栓はデザイン性や機能性が高いものが多く、高額な製品も出回っています。
たとえば、タッチレス水栓の本体価格は7~20万円、浄水器内蔵の水栓なら3~14万円程度が相場となっています。さらに、電気設備工事が必要になるため総額が大幅にアップします。
【内部リンク設置】
蛇口交換の依頼先
混合栓の交換を依頼できる業者は、以下の通りです。
●水道修理業者 ●ホームセンター ●家電量販店 ●リフォーム店 |
故障した水栓の修理であれば、製造元メーカーに依頼することができますが、交換となると対応してもらえないのが基本です。
そのため、水栓の交換のみを依頼するのであれば、「水道業者」「ホームセンター」「家電量販店」あたりが現実的な選択肢となります。ただし、ホームセンターや家電量販店の場合、施工をするのは委託を受けた業者となるため、サービスの質に差が出やすいデメリットがあります。できれば、自分で信頼できる水道業者を選ぶほうがよいでしょう。
その他、水栓交換以外にも改築したい箇所がある場合は、リフォーム店にまとめて依頼するのがスムーズです。
賃貸住宅に住んでいる場合、設備はすべて建物のオーナーのものです。勝手に交換をせずに、まずは管理会社に相談しましょう。許可を取らずに水栓を交換した場合、退去時に元の蛇口に戻す原状回復を求められることがあります。
【内部リンク設置】
蛇口交換を頼める業者を選ぶときのポイント
最後は、蛇口交換を頼める業者を選ぶときのポイントを紹介します。
●指定給水装置工事事業者の資格を所有しているか ●希望するメーカーの商品を取り扱っているか ●料金と対応範囲が公開されているか ●他社と比較して高すぎないか・安すぎないか |
業者によっては、高額な施工費を請求されたり、希望する製品を取り付けられなかったりするリスクがあります。安心して依頼できる業者を慎重に選びましょう。
指定給水装置工事事業者の資格を所有しているか
最初に確認したいのは、「指定給水装置工事事業者」として許可を受けているか否かです。
指定給水装置工事事業者とは、登録地域で水道工事を請け負える許可を自治体から受けた業者を指します。指定給水装置工事事業者としての許可を受け、自治体から営業を認められていない事業者はその地域で水道工事を行うことができません。
各自治体は、指定給水装置工事事業者の一覧をWebページで公開しているので、依頼を検討している業者があれば登録の有無を確認しておきましょう。
希望するメーカーの商品を取り扱っているか
水栓本体は自分で用意することもできますが、業者から購入することも可能です。同じ製品でも、業者から買うほうが個人で購入するより安い場合もあります。
一方で、業者によって取り扱っている製品は異なります。希望するメーカーの品がないこともあり得るため、希望の商品が決まっている場合は、取り扱いがあるか事前に確認しておきましょう。業者によっては、取り寄せができることもあります。
料金と対応範囲が公開されているか
明確な料金と作業範囲を確認することも重要です。同じ施工費用でも、養生や廃棄処分費を含む業者もあれば、別途請求する業者も存在します。料金体形の明確さや金額だけではなく、「いつどのような料金が発生するのか」「どのような作業が含まれるのか」まで、Webサイトや契約書で確認するようにしましょう。
水道周りの工事は、実際に現場を見ないとはっきりとした料金を示しにくい傾向があります。そのため、問い合わせ時点では金額がわからないことも少なくありません。しかし、作業に入る前に、料金の総額や作業範囲を明確に確認しておかないと、後から高額な料金を請求される可能性もあります。
万が一、「見積もりにはない工事を勝手に施工された」「必要でない工事を執拗に勧められて契約してしまった」などのトラブルが発生したら、水道局と消費者センターに相談しましょう。水道工事もクーリングオフの対象となります。
他社と比較して高すぎないか・安すぎないか
依頼をするときは、3社以上に相見積もりを取って料金を比較するようにしましょう。比較時、他社よりも大幅に高い・低い業者は要注意です。
実は、水道工事には明確な料金規定がありません。そのため、安すぎる業者であれば、初めに安そうな印象を与えて、後から何かと理由を付けて追加料金を請求してくることも考えられます。追加料金は請求されなくても、手抜き工事や技術不足によるトラブルが発生するかもしれません。
他社よりも極端に高い・安いのには、何か理由があるはずです。必ず料金の内訳や作業開始後の追加料金の有無、曜日や時間帯による割増料金を確認してください。
PL保険に加入しているか
PL保険に加入しているかもチェックポイントです。PL保険とは、企業が製造・販売したものが原因で発生した損害の賠償を補償する保険です。水道工事の場合、取付工事の失敗によって漏水・水漏れが発生したときの現状復旧などに使われます。
保険に加入していない業者だと、トラブルが発生したときに「スムーズに問題を認めてくれない」「損害を補償してくれない」などの可能性も考えられます。PL保険に加入しているか否かは、業者のトラブルが発生したときの責任の取り方に対する姿勢の表れといってもよいでしょう。
まとめ
今回は、混合栓の交換手順や交換時の注意点を中心に、自力で混合栓を交換する方法を解説しました。
混合栓は、基本的には自力でも交換できます。しかし、一般的な手順通りに進められないケースもあります。節約をしようとDIYをした結果、余計な修理費がかかることも珍しくありません。思うように作業が進まない場合は、無理に進めず、業者に頼むようにしましょう。
なお、水回りの工事では、料金トラブルが頻発しています。水道工事ができる許可を得ており、明確な料金提示や作業内容の説明をしてくれる業者を選ぶことが重要です。今回紹介した料金やサービス対応の範囲、保険加入のほか、口コミサイトやSNSでの評価も参考になるでしょう。
水道屋本舗では、蛇口の修理だけでなく蛇口の交換も承っています。24時間ご相談が可能で、急な蛇口の故障にも対応できます。お見積りは無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。